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2024.02.13

ダイエットで話題のGLP-1その情報正しいですか?


GLP-1という言葉を聞いたことはありますでしょうか。ネット検索してみると案外いろいろな情報が出てきますが、少し適切ではない情報もあるようです。氾濫している情報に惑わされないように、今回はGLP-1について理解を深めていきましょう。

 

GLP-1とは「グルカゴン様ペプチド-1」

GLP-1とは「グルカゴン様ペプチド-1」の略で、ホルモンの名前です。食事をすると消化管から分泌されるホルモンを「インクレチン」と言いますが、GLP-1はその一種。血糖値と深い関わりがあります。

GLP-1と糖尿病の関係

GLP-1はインクレチンの一種。インクレチンは食事をすると分泌され、膵臓を刺激して血糖値を下げる働きを持つインスリンの分泌を促したり、血糖値を上げる働きを持つグルカゴンの分泌を抑制したりします。ですから糖尿病とは深い関わりのあるホルモンだと言えるでしょう。

この仕組みはとてもよくできていて、食事をしておらず血糖値が高くないときにはGLP-1は分泌されません。ですからインスリンも出てこないのです。

 

GLP-1って薬の名前なの? 

GLP-1はホルモンの名前ですが、GLP-1受容体作動薬という糖尿病の治療に用いられる薬があります。実は体に備わっているGLP-1は小腸から分泌されるとわずかな時間でDPP-4という酵素によって一部が切断されてしまい、うまく働くことができないのです。しかしGLP-1受容体作動薬はDPP-4で分解されないので、長く作用することができます。

糖尿病の治療には様々なタイプの薬が使われます。例えばインスリンの効きを良くする薬や、インスリンの分泌を促す薬、糖を排泄して血糖値を下げる薬、食後の高血糖を抑える薬です。この中でGLP-1受容体作動薬は、インスリンの分泌を促すことで糖尿病の治療を行っていく薬で、長く注射薬で使われてきましたが、近年飲み薬も出てきました。

 

 

GLP-1でダイエットができるの? 

GLP-1と聞いて「ダイエットで話題の?」と思われた方もいらしたかもしれません。近年話題になったダイエット法に「GLP-1ダイエット」があります。一方でGLP-1受容体作動薬の不適切使用に、日本糖尿病学会が警鐘を鳴らす事態ともなりました。

GLP-1ダイエットとは 

GLP-1ダイエットは、体内で自然に分泌されるホルモンであるGLP-1を使って健康的に体重を減らすと謳っているダイエット方法です。広告などでは体内にもともと存在するものだから安全だという文句で、薬を使うことで自然に体重が落ちるとしています。副作用などについてはふれずに高額に薬を販売しているようなケースもあります。

しかし薬は人工的に生成されたものですし、肥満症治療薬として使用した場合に他の薬剤と比較してすい炎や腸閉塞のリスクを上げるとするデータもあります。日本糖尿病学会では、「健常者が痩身目的でGLP-1受容体作動薬を使用することは許容すべきではない」と述べています。

 

気をつけたいGLP-1受容体作動薬の使い方 

GLP-1受容体作動薬は吐き気や下痢、便秘などの副作用が起こる場合があります。また長く使い続けると効きにくくなる欠点もあるとされています。GLP-1受容体作動薬は空腹時には働かず食事をとって血糖値が高くなった時に働くので低血糖は起こしにくいと言われていますが、糖尿病の治療薬としてほかのお薬も使っている場合には低血糖にも注意が必要です。あくまでも自己判断は避け、医師や薬剤師の指導のもと、適切に使用していくようにしましょう。

 

まとめ

糖尿病との関連が深いGLP-1ホルモンと、そのホルモンの働きを利用したGLP-1受容体作動薬についてご紹介しました。
糖尿病治療薬の一つとして候補が増えたと期待できる一方で、不適切な使用では体に危険だということもお分かりいただけたのではないでしょうか。もしご自身の体調を考えご興味を持たれた場合には、ぜひ主治医に相談してみてください。


GLP-1という言葉を聞いたことはありますでしょうか。ネット検索してみると案外いろいろな情報が出てきますが、少し適切ではない情報もあるようです。氾濫している情報に惑わされないように、今回はGLP-1について理解を深めていきましょう。

 

GLP-1とは「グルカゴン様ペプチド-1」

GLP-1とは「グルカゴン様ペプチド-1」の略で、ホルモンの名前です。食事をすると消化管から分泌されるホルモンを「インクレチン」と言いますが、GLP-1はその一種。血糖値と深い関わりがあります。

GLP-1と糖尿病の関係

GLP-1はインクレチンの一種。インクレチンは食事をすると分泌され、膵臓を刺激して血糖値を下げる働きを持つインスリンの分泌を促したり、血糖値を上げる働きを持つグルカゴンの分泌を抑制したりします。ですから糖尿病とは深い関わりのあるホルモンだと言えるでしょう。

この仕組みはとてもよくできていて、食事をしておらず血糖値が高くないときにはGLP-1は分泌されません。ですからインスリンも出てこないのです。

 

GLP-1って薬の名前なの? 

GLP-1はホルモンの名前ですが、GLP-1受容体作動薬という糖尿病の治療に用いられる薬があります。実は体に備わっているGLP-1は小腸から分泌されるとわずかな時間でDPP-4という酵素によって一部が切断されてしまい、うまく働くことができないのです。しかしGLP-1受容体作動薬はDPP-4で分解されないので、長く作用することができます。

糖尿病の治療には様々なタイプの薬が使われます。例えばインスリンの効きを良くする薬や、インスリンの分泌を促す薬、糖を排泄して血糖値を下げる薬、食後の高血糖を抑える薬です。この中でGLP-1受容体作動薬は、インスリンの分泌を促すことで糖尿病の治療を行っていく薬で、長く注射薬で使われてきましたが、近年飲み薬も出てきました。

 

 

GLP-1でダイエットができるの? 

GLP-1と聞いて「ダイエットで話題の?」と思われた方もいらしたかもしれません。近年話題になったダイエット法に「GLP-1ダイエット」があります。一方でGLP-1受容体作動薬の不適切使用に、日本糖尿病学会が警鐘を鳴らす事態ともなりました。

GLP-1ダイエットとは 

GLP-1ダイエットは、体内で自然に分泌されるホルモンであるGLP-1を使って健康的に体重を減らすと謳っているダイエット方法です。広告などでは体内にもともと存在するものだから安全だという文句で、薬を使うことで自然に体重が落ちるとしています。副作用などについてはふれずに高額に薬を販売しているようなケースもあります。

しかし薬は人工的に生成されたものですし、肥満症治療薬として使用した場合に他の薬剤と比較してすい炎や腸閉塞のリスクを上げるとするデータもあります。日本糖尿病学会では、「健常者が痩身目的でGLP-1受容体作動薬を使用することは許容すべきではない」と述べています。

 

気をつけたいGLP-1受容体作動薬の使い方 

GLP-1受容体作動薬は吐き気や下痢、便秘などの副作用が起こる場合があります。また長く使い続けると効きにくくなる欠点もあるとされています。GLP-1受容体作動薬は空腹時には働かず食事をとって血糖値が高くなった時に働くので低血糖は起こしにくいと言われていますが、糖尿病の治療薬としてほかのお薬も使っている場合には低血糖にも注意が必要です。あくまでも自己判断は避け、医師や薬剤師の指導のもと、適切に使用していくようにしましょう。

 

まとめ

糖尿病との関連が深いGLP-1ホルモンと、そのホルモンの働きを利用したGLP-1受容体作動薬についてご紹介しました。
糖尿病治療薬の一つとして候補が増えたと期待できる一方で、不適切な使用では体に危険だということもお分かりいただけたのではないでしょうか。もしご自身の体調を考えご興味を持たれた場合には、ぜひ主治医に相談してみてください。